立川市にある脳外整形外科クリニック リハビリテーション科のブログです。

今日は。
鈴木慶やすらぎクリニック リハビリテーション科 健康運動指導士 沢田です。

今回は、高血圧に対する運動療法について、解説します。

高血圧は、脳卒中、心臓病、腎臓病の強力な原因疾患です。つまり、血圧が高い状態が続くと、血管障害によって脳、心臓、腎臓などの臓器に病変が生じ、健康寿命を短くすることに繋がってしまいます。日本の『高血圧治療ガイドライン(2014)』では、140/90 mmHg以上を高血圧と定義しており、これは世界のガイドラインとも共通しています。
2015年11月に、アメリカで行われた大規模試験の結果、「収縮期血圧120未満を目標に、降圧コントロールをするべき」との見解が報告されました。これを受けてすぐに日本における治療方針が変わるわけではありませんが、今後の高血圧治療に影響する可能性もあり、研究の進展が注目されています。

これまでに行われてきた多くの研究により、高血圧の予防・治療に運動が有効であることが明らかされてきました。運動の内容としては、歩行やジョギング、水泳、サイクリングなどに代表される、いわゆる有酸素運動を中心に行うことが推奨されています。
運動による降圧効果を得るためには、少なくとも1週間に120分程度の有酸素運動が必要であると考えられています。すなわち、1回10分以上継続する運動を合計して1日に30~60分行い、これを週に3~4日程度は実施することが望まれます。また、運動強度としては中程度(最大酸素摂取量の50~60%程度)が望ましいとされ、心拍数では1分間に110拍程度、主観的運動強度を示すボルグ・スケールでは「13; ややきつい」程度が目安となります。
一方、レジスタンストレーニングを補助的に組み合わせることで、除脂肪体重の増加や骨粗鬆症・腰痛などの予防に有効である可能性が示されています。また、ストレッチ運動を補助的に組み合わせることで、関節の可動域や機能の向上などに有用である可能性が示されています。いずれも、有酸素運動による効果を補強するものと考えられます。
このように、適切に管理された運動プログラムの継続的な実施により、高血圧の改善が期待できます。従って、高血圧患者の方々においては、生活習慣の修正の一つとして、運動習慣をつけることが推奨されます。

(健康運動指導士 沢田)