立川市にある脳外整形外科クリニック リハビリテーション科のブログです。

今晩は。
鈴木慶やすらぎクリニック リハビリテーション科、健康運動指導士の沢田です。

5月31日の世界禁煙デーに始まる1週間(5/31~6/6)は、厚生労働省が定める『禁煙週間』でした。
各地で様々な啓発イベントが行われ、各メディアや自治体などを通して、情報発信がなされてきました。その中で特に興味深かったのは、厚生労働省が主催した『世界禁煙デーイベント』において、『受動喫煙による年間死亡者数(推計値)』の最新のデータが公表されたことでした。

2010年に国立がん研究センターが公表したデータでは、年間約6800人が受動喫煙によって亡くなるとされていました。今回、各メディアが報じた情報によると、同センターによって公表された最新のデータでは、年間約1万5000人が受動喫煙によって亡くなる現状があるとのことでした。
6年で年間死亡者数が2倍以上に増加した背景には、受動喫煙に関する研究の進展が大きく関係しています。すなわち、2010年の時点で受動喫煙との因果関係が確立されていた成人の疾患は肺がん虚血性心疾患の2つでしたが、その後の研究によって受動喫煙と脳卒中の因果関係が明らかになるに至り、推定死亡者数の増加に繋がったのです。
また、男女別(乳幼児を除く)では、男性が4523人、女性が10434人と、女性の占める割合が多いという特徴があります。この要因としては、家庭内における受動喫煙リスクが女性において圧倒的に高いことが挙げられるとのことでした。さらに、受動喫煙は乳幼児突然死症候群(SIDS)にも関係し、年間73人の乳幼児が命を落とすことに繋がるという報告もなされました。
今週火曜日の『やすらぎ体操教室』では、上述の内容をはじめとした情報を整理し、お伝えさせていただきました。

喫煙は日本人における関連死亡者数の最も多いリスク要因であり、「予防できる最大の死亡原因」とされています。世界全体で見ても、喫煙はリスク別の死因第2位となっています。
一方、世界全体における死因の約68%は、がん、循環器疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を中心とした非感染性疾患(NCD)であるとされ、WHO(世界保健機関)はNCD予防を推進しています。健康日本21(第二次)において重視されている主要な生活習慣病の発症・重症化予防の取り組みも、こうしたNCD対策の枠組みでもあると言えます。

喫煙はNCDに広く影響し、禁煙によってがん、循環器疾患、糖尿病、COPDのリスクを下げることが可能であると明らかにされています。健康増進を考える上で、禁煙が大切であることは、もはや言うまでもありません。しかし、それは単に喫煙を否定することに終始するのではなく、現在や過去における喫煙経験のある方々も広く取り込みながら、社会全体で実現可能な健康施策を模索することが望まれるはずです。例えば、禁煙に取り組む方々の気持ちを後押しできるくらい魅力的な運動プログラムや健康増進コミュニティの醸成が、我々リハビリテーション科で提供できる支援策になり得るかもしれません。
最近では、受動喫煙を二次喫煙と位置付けた上で、“第3の喫煙(三次喫煙)”とも称されるサードハンド・スモーク(残留受動喫煙)の問題も取り上げられつつあります。今年の“禁煙週間”は終わってしまいましたが、この間に発せられた情報の数々も踏まえながら、健康増進のために個人・社会ですべきことを考え続けていくことが肝要です。

今後も引き続き、火曜日の『やすらぎ体操教室』では、健康日本21(第二次)に関連する情報提供を行っていく予定です。
ご興味がおありの方は、当院リハビリテーション科までお問い合わせください。

(健康運動指導士 沢田)